updated 2023-05-09
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昨年の卒業後、初個展。
木版画のおおらかで素朴な線やあたたかみにプラスして、作家特有の明るい色使い、そして自由自在に組み合わされる生活のモノたちが、空想の世界に遊ぶ子供のような視点で表現された作品です。
生命の神秘や摩訶不思議な色やカタチ
よく見ないとわからないけど、よく見るとすごい
そんな動物や植物たちをさらに私のレンズを通して観察し、
そこに日々の生活の中で小さなささくれのように引っかかった言葉や音楽、
情景をコラージュするように画面を創っています。
誰も気づかない、へんてこで穏やかな世界・・・ 田村洋子
プリントという言葉を、コンピュータの業界に取られちゃって久しい
「プリント」って言葉で「プリントアウト」はつたわっても
「版画」を思いうかべる人は少なくなった・・・
それでも
版画表現に向き合っているGraphic artistは多い
なかでも田村洋子さんは木版で表現する
彫刻刀で彫る
木くずだらけになりながら
身体全体で木と格闘している
色合いが、新鮮なうえに
「今」が切り取られている
食パンにアスパラガスだったり
くわいにフォークだったり
電話だったり、照明器具だったり
現代なのだ
新作では、椅子がただよい
檸檬が浮かぶ
洗濯ばさみがアクセントに配置される
クリック&リターンでビビビビーィと出てくるプリントじゃない
手刷りで、色を重ねた木版画、そんな「プリント」コンテンツが今時の共感を呼び起こして欲しいと思う
去年、京都精華大学を卒業したニューフェイスのプリント、木版画
リビングルームに一枚、いかがでしょうか