ギャラリー モーニング 現代アートをリビング空間へ。アートのセレクトショップ 
Exhibition sales of Contemporary ART


updated 2017-03-01
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版画旅行5 はじめての風景 3.5(火)-17(日)





マツモトヨーコ

「冬の午後」シート¥42,000

 中学生の頃から油絵を描き、美大に入学してからも絵画専攻だった私ですが、だんだんと体質的にはむしろ水彩、とりわけ紙を使った仕事の方が合っているようにおもえてきました。同じく紙を使って制作をするという共通性から版画の基礎を学んでみたところ、はまってしまったというわけです。
 しかし技術面の比重が大きい版画は、なかなか手のうちに入ってくれず、あるときはなかばあきらめ、距離をとってしまったこともありました。
 その後、再びリトグラフ専門の工房で制作することになり、技術面の問題はクリアすることができたのですが、今度はあまりにも描画したまま、プラスもマイナスもなく刷りあがることによって、むしろ作品作りをしっかりしておかねばならないという当たり前のことに直面しました。
 そんなこんなで、今もって試行錯誤の途上にあるのですが、最近は黄、赤、青それぞれの版をおもにリトクレヨンを使った描画で諧調を作り、そのかけあわせによってさまざまな色彩を出すという、いわばアナログな三色分解の手法を使ってリトグラフ制作をしています。
この方法での制作は、最後の版を刷り終わって紙をめくってみるまでその成否がわからないというスリルに満ちたものとなりますが、それは同時に版画のおもしろさや醍醐味もたっぷり味わえるものでもあります。
 ドローイングやペインティングとは異なるプレス圧がかかったスムースなベタ面や、繊細な粒子の集合体のようでもあるクレヨン等の諧調、あるいは色の重なりといったものも注目していただけたらとおもいます。
マツモトヨーコ


「なんとなくいい日」シート¥21000









「Collection」¥31500











「Reservation」¥36,750







マツモトヨーコ略歴

吉原英里

Garden-小鳥 40万円

 私にとって版画とは、表現を考える時の最初のフィルターであり、また、絵画表現における重要な素材の一つと考えています。私は、ラミネートと呼ぶオリジナルな版画技法を用いてきました。新聞、ティーバッグのラベル、エアメール、タバコのラベル等々の既成の印刷物を、版を刷る時に雁皮紙と版画用紙の間に挟み込む技法です。最初、版に絵を描く以外の物質感を求めて印刷物を挟んだり、ソフトグランドで実物の触覚を使ったりしていました。それが次第に、イメージの増殖に興味が湧き、版画の工程そのものをガラス絵に置き換えるなど、作品を様々変化させてきました。最近は、絵画と版画のコンビネーションによって視点の変化を生み出したり、躍動感ある作品構成を試みたいと思い、インスタレーション形式の作品も手掛けています。
日常的なモチーフを使って人物を描かずに人間のドラマを表現したいという思いは、今でも変わりませんが、室内から一歩足を踏み出し、自然の大きな空間も取り込みたいと考えています。
吉原英里

「草上の昼食」¥31,500






「Sneakers」¥10500




「Rose-rose」¥10,500









吉原英里略歴








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「はじまりの風景」について

マツモトヨーコ作「家」。吉原英里作、3つのティーカップの作品「ルームサービス」。昔に購入した作品も展示しています。作られたのは共に1983年。はじめて版画を買って、家に飾るようになってから30年になります。


サラリーマンとして働いていた頃、いつも前を通っていたギャラリーココ(京都三条通り)のショーウインドウに版画作品がかかっていて。おそるおそるギャラリーのドアを開けて中に入るといくつもの作品が壁に掛かっていました。「いいなあ」と思った作品のかたわらに、タイトルと値段が付いていて。


その時はじめて、同世代の芸大に通ってアートを学んだ人の作品が「買える」コトを知りました。


そして、「いいなあ」と思った作品を買いました。


吉原英里さんのジャム瓶の作品やマツモトヨーコさんの「モーニング・コール」。なつかしい。
それから、自分の部屋に飾ったり、お世話になった先生の新築祝いに、友達の結婚祝いに、いろんな機会に版画を購入し、プレゼントしてきました。


版画にはエディションがあり同じ絵が何枚かつくられます。絵の下に1/10、3/7と言うふうに明記されている数字。分母が刷り枚数で、分子が何枚目かを表します。1/10だと10枚刷られた中の一枚目。3/7だと7枚ある内の3枚目に刷ったもの。
同じ絵を何人かでシェアする。だから値段も一点物よりは値頃感がありました。

30年前が、ボクにとっての「家に飾れるアート作品」との出会いで、版画旅行のはじまりでした。


版画が大人気の80年代にデビューした2人、マツモトヨーコさんはリトグラフ、吉原英里の銅版画&ラミネート、技法は違いますがそれぞれの個性は深まり、今もファンを増やして、日々リビング空間で愛されつづけています。
今も弛むことなく作品を作り続けておられるふたりの毎年、毎年の展覧会は大きな楽しみのひとつです。


今回はギャラリーの企画者という立場で二人に展覧会をお願いしました。
ずっと作品を作り続けて来られた二人の作家生活30周年をお祝いする気持と、アートのある暮らしと出会ってからの30年をふり返る展覧会でもあります。


ふたりの作品との出会いがアートのある暮らしへの出発点になることを願っています。




gallerymorningkyoto 寺久保吉完







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